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退避する必要がある。ただし稼働率からすると、異常時波浪の出現率は非常に小さいため、通常は背後海域を利用可能であると予想された。
入射波条件およびMランド背後の波高(異常時)をTable-3、Fig.8、9に示す。

Table-3 Requirements for incident waves

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Fig.8 Wave height behind M-Land(inemergencies)-wave with a return period of 10 years-

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Fig.9 Wave height behind M-Land(in emergencies)-wave with a return period of 30 years-

以上を踏まえ、室蘭市の水産情勢、漁業者の意向を基にMランド背後の水域利用計画例を作成した。
Mランドの背後水域の利用平面図を、Fig.10に示す。

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Fig. 10 Plan view of water area utilization behind M-Land

6. 養殖支援基地(Mランド)の役割と効果
6−1 Mランドの果たす役割と効果
これまで述べてきた養殖支援基地(Mランド)整備により、当該施設果たす役割と地域に与える効果について、以下に述べる。
?室蘭市の水域機能分担の促進
・室蘭港内にある絵靹地区や崎守船溜のホタテ養殖漁業者をMランドに移転することにより、漁業者の利便性と養殖作業の計画性が増し、港湾においても漁船と貨物船等の港湾利用船舶との輻輳が減少し、港湾利用の安全性、利便性、効率性が増す。
・漁業基地が集約することにより、漁協組織等の水産関連団体の利便性、効率性が増加し、また組織の強化につながる。
?ホタテ養殖作業の効率化、安定性の向上
・Mランドに移転することにより、ホタテ稚貝などの蓄養水域における水温の上昇や塩分濃度の低下などによるへい死が防げるようになる。それにより計画的出荷や、計画的な作業が可能となり、過重労働の解消が図れる。
・Mランドの漁港用地をホタテ養殖漁業に適した配置にすることにより、作業効率の向上が図れる。
・Mランドの作業用地を人工地盤化するとこにより、降雨時や降雪時の荒天時での、徴しい労働環境が解消される。
・Mランドヘの移転を合理的に行うことにより、漁業者の漁場への距離や、自宅と作業場との距離を短縮することができる。
?Mランド整備による水産素の活性化の向上
・Mランドの整備を契機に、お魚センター(直販施設)やシーフード・レストラン等をMランドの付け根に設け、相互の集客能力の相乗効果を期待する。
・Mランドに釣台などを設け、水産組織の経営基盤の向上に努めることができる。
?Mランド自体による活性化の推進
・Mランドヘの連絡道路を海上プロムナードとし、観光資源とする。
・Mランドを室蘭港とJR室蘭訳とを結ぶ軸上の施設として位置づけ、その活用を図る。

 

 

 

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